今回のトピックス、「カーボンシンク効果は過大評価?」「ヤクルト、太陽光販売も」「長野の小型水力」「サマータイムで省エネにならない例も」「中国の原油流出事故続報」「車が壊す生態系・昆虫とその循環編」「ナイキ・アディダスの中国工場排水から有毒物質」「メジロ捕獲も全面禁止へ」「アフガンの野生動物」「新種のホソユビヤモリ」「道具を使う魚」、など。

昨日は暑さに負けました。
今日もまだ本調子ではないですが、まあそれなりに。
と、いうことで2日分です。
今日の分の巡回は夕方で切ったのですが、記事は多いです。


◆ ◆みんな大好き、地球温暖化の話題◆ ◆ 

07月14日 10:40 ロイター
地球温暖化でのカーボンシンク効果は過大評価か 
 http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2011071400248

心のどこかで、ああやっぱりな、と思った記事。

>科学者らは14日、英科学誌ネイチャーで、地球温暖化との闘いにおけるカーボンシンク(炭素貯蔵所)の効果は考えられているよりも小さい可能性がある、との研究結果を発表した。 

>研究を行ったのは米国の北アリゾナ大学のバン・グレーニゲン氏らの科学者グループ 

>多くの植物はCO2レベルの上昇に伴いより速く成長し、大気中からより多くのCO2が吸収されるが、その効果の一部は亜鉛化窒素とメタンが増えると相殺される。バン・グレーニゲン氏らは、これによって気候変動を和らげる上でのカーボンシンクの能力がこれまで推定されていたよりも少なくとも16.6%低くなるとしている。 

>これは地球温暖化のペースがこれまで考えられていたよりも速くなる可能性があることを意味しており、同氏らは気候変動の影響を調べるのに使われるコンピューターモデルを調整する必要が出てくると指摘した。 

亜鉛化窒素の温室効果はCO2の約300倍、メタンは約21倍に上るという。 

そうそう、二酸化炭素だけではあらへんねんて。



◆ ◆自然エネルギー系◆ ◆ 

07月13日 23:10 朝日新聞
ヤクルトレディーが太陽光発電を売り込み 北関東3県 
 http://www.asahi.com/business/update/0713/OSK201107130247.html

どんなタイプの太陽光発電を取り扱っているのか、ちと気になる。

>京セラ製の太陽光発電システムを、1千人のヤクルトレディーが栃木、群馬、茨城の3県で売り込んでいる。約10万軒の顧客網を使い、顔なじみの主婦らに口コミで太陽光発電の魅力を伝える。警察と連携してヤクルトレディーが防犯チラシを顧客に配る例は多いが、太陽光発電の販売を手がけるのは極めて珍しい。 

防犯チラシかー。意外とタイアップ多いねんな。


07月14日 13:02 毎日新聞yahoo! 経由) 
水力発電所:環境に優しいと再評価 佐久市「太陽光、風力よりも安定」 /長野 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110714-00000152-mailo-l20

これは貴重な成功例。参考になる、メモメモ。

佐久市横根にある農業用水で水車を回して発電する小水力発電「平根発電所」が、環境に優しいエコ発電所として再評価されている。1954(昭和29)年の稼働開始と古く、昨年、管理者の佐久市事業仕分けで運営から手を引く意見も出た。しかし、市は「太陽光や風力発電に比べ、天候に左右されず24時間、安定した電力供給ができる利点がある」と施設の長寿命化の調査研究や、機器更新などの検討を進めている。 

>市建設部によると、10年度の年間発電量は約270万キロワット時。公園全体の需要の98%を賄った上に、余剰電力145万キロワット時を中部電力に売電し、約713万円の収入があった。公園の全電力を購入した場合と比較して、約200万円の黒字。 

>昨年、民間の仕分け人らが参加した事業仕分けの結果では、将来の改修費負担もあり、複雑な事業形態を明確にする▽市の歴史資産として維持すべきだ−−などの意見が出て「要改善」と判定されていた。 

地域での小規模発電を回していくというプラス面はどこまで評価されたんやろか。そりゃええことばかりやあらへんとは思うねんけども。



◆ ◆やればできる省エネ・節電◆ ◆ 

07月13日 18:00 毎日新聞(goo経由)
<節電>サマータイム逆効果!? 1人暮らし多く、帰宅後に電力消費−−産総研分析 
 http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/world/ecoscience/20110713dde041040027000c.html

なんか、こっちも「そんなこったろうと思った」的な分析が。

打ち水や日本版サマータイムを実施しても、都心での電力消費は減らないことが、産業技術総合研究所や明星大などのチームの分析で分かった。職場を早期退社しても、家庭でのエアコン利用が増えることなどが理由という。 

>午後4時に終業するサマータイムでは、オフィスの電力需要は10%減るが、自宅でより多くのエアコンを使うため、集合住宅で27%、一戸建てで23%それぞれ増え、全体では4%増となった。東京の場合、1人暮らしが全世帯の約4割を占めるため、夕方以降にエアコンなどを使う世帯が増えるのが理由としている。 

>一方、すだれなどによる日差しの遮蔽(しゃへい)では5%減、エアコン設定温度の見直し(住宅24・5度、オフィス26度からそれぞれ28度)で5%減の効果があった。 



◆ ◆ニンゲンの経済活動と環境破壊◆ ◆ 

07月13日 13:00 毎日中国経済yahoo! 経由)
蓬莱原油流出事故、海域3400平方キロで水質低下 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110713-00000002-xinhua-int

07月14日 10:16 毎日中国経済yahoo! 経由)
遼寧省の海洋油田で原油漏れ、回収作業完了=中国海洋石油 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110714-00000001-xinhua-int

07月14日 13:17 中央日報日本語版(yahoo! 経由)
中国渤海湾原油流出、ソウル市の7倍の面積を汚染 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110714-00000018-cnippou-kr

07月14日 13:42 サーチナyahoo! 経由)
韓国メディア「黒い恐怖」…渤海での原油流出に説明求める 
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110714-00000039-scn-cn

続報。韓国からもツッコミ入ってるし。


07月14日 08:52 ロイター
毎月1330億匹の虫が車の犠牲に、食物連鎖に影響=オランダ研究 
 http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-22194520110713

>オランダの道路では車の走行で1カ月当たり約1330億匹の虫が死んでおり、それによって食物連鎖のバランスも崩されているという。オランダにあるワーゲニンゲン大学の生物学者による研究で明らかになった。 
 
>調査では車を運転する250人に協力を求め、参加者は車を運転する機会ごとにナンバープレートを掃除し、付着した虫の死がいを数えた。 

>調査チームの1人、アーノルド・ファンフィリート氏はロイターに対し、つばめなどの多くの鳥がこれらの虫を食料としており、地域の虫の密集度が鳥の食生活を左右すると指摘。「虫の数が減少した場合、これらの鳥はヒナに与える餌を確保することが難しくなるだろう」と述べた。 

直接車で死ぬ虫もそうやけれども、道路やその他開発のおかげで埋め立てられたりアスファルトやコンクリの下敷きになって失われる土と、その下に棲む昆虫や微生物やモロモロの生きものたちの命も同じことなんやろな、と。
子どもの頃から、アスファルトの道を見るたびに、この下に埋まっていたセミの幼生はやはり殺されたんやろか、と想像しては鬱々としとったんやけど。


07月14日 12:43 AFPBB
ナイキ・アディダスの中国工場排水から有毒物質、長江など汚染と環境団体 
 http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2813048/7494080

グリーンピースによると、問題の工場は揚子江と珠江のデルタ地帯にある2工場。排水を採取したサンプル8点から、ノニルフェノールやフッ素化合物など「複数の有害化学物質」が検出されたという。  

>これらの化学物質は、魚介類を通じて生物濃縮され、低濃度でも人体のホルモンバランスを崩す危険性があり、欧州諸国では規制されている。 

グリーンピースによれば揚子江と珠江のデルタ地帯は、住民6700万人の水源となっている。問題の2工場では、中国国内ブランドのほかアディダスやナイキの製品を製造している。AFPの取材に対し、アディダスからは回答が得られなかったが、ナイキは汚染には関与していないとしてグリーンピースの指摘を否定した。 

ナイキも否定するなら、証拠くらい出せばええのに。



◆ ◆希少種・絶滅危惧種◆ ◆ 

07月13日 14:02 朝日新聞
メジロの捕獲も全面禁止へ 野鳥観賞目的の特例、撤廃へ  
 http://www.asahi.com/national/update/0713/TKY201107130195.html 

07月13日 19:56 毎日新聞
メジロ:愛玩、観賞目的の捕獲禁止…来年4月から 環境省 
 http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110714k0000m040047000c.html

賢明な判断。つか、遅い。

メジロの捕獲は、鳥獣保護法に基づく指針で1世帯1羽までの飼育を前提に認めてきたが、密猟を助長する恐れから「許可しない」となる。野生鳥獣の観賞目的の捕獲がすべての種で禁止されることになる。違反した場合は、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられる。 (朝日)
 
どっちかっつーと暴力団対策のようやけれども、とはいえヒトの考え方として、やはり野生種を趣味で飼育するのはどう考えても好ましいことやないねんから。この場合は、例外をつくらへん方がええ例の範疇。


07月13日 ナショナル ジオグラフィック
戦乱を生き延びたアフガンの野生動物 
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110713002&expand

とても良記事なので、できれば上リンク先にて全文通読を推奨。

>しかし、よい知らせばかりではなく、注意すべき点もいくつかある。 

>例えば人工衛星による調査から、ヌーリスターン州の森林面積が過去20年で大幅に減少し、現在も減り続けていることが分かっている。 

>「この状態が続けば、この地域に大型の動物は一頭も残らないと思う。ここにまだ野生動物が生息しているのは喜ばしいことだが、今後もずっと動物たちが生き延びられるかどうかは大いに疑問だ」とザーラー氏は言う。 

>ザーラー氏はさらに、森林乱伐の一因は住民が燃料や建材として木を伐採することにあるが、原因の大半は、政治的に不安定なこの地域で監督や規制をほとんど受けることなく操業できる林業にあると指摘する。 

>地元住民がわずかな金と引き換えに伐採権を手放しているのを見ると、虐げられているのは動物ばかりではないことが分かると、ザーラー氏は付け加える。 



◆ ◆新種! ◆ ◆ 

07月14日 ナショナル ジオグラフィック
フォジャ山脈で新種のホソユビヤモリ 
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20110714003&expand

ヤモリさんかわいいよ、ヤモリ! ふてぶて憎たらカワイイだよ、これ!!

>この新種のホソユビヤモリの特徴が、ニューギニア島に生息する23種にものぼる近縁種のいずれともまるで異なっていたためだ。 

>まず、体長が11センチと、原産地ニューギニア島ですでに知られている約20種よりも小型だったということがある。近縁種には体長30センチにもなるものがある。 

>オリバー氏は、フォジャ山脈の雨林には、まだまだ多くのヤモリが不明種のまま待っていると推測する。何と言ってもこの地域で科学的調査が開始されたのはほんの数年前のことで、まだ短期の調査旅行しか行われていないのだ。「この新種は氷山の一角にすぎない」とオリバー氏は話している。 



◆ ◆本日の、固定概念を覆された生きものの話◆ ◆ 

07月14日 ナショナル ジオグラフィック
豪州で発見、道具を使う初の野生魚 
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011071401&expand

07月14日 ナショナル ジオグラフィック
岩を利用、道具を使う初の野生魚 
 http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2011071402&expand

サカナ、すげぇ!!

>体を横に倒し、ザルガイを岩に打ちつけるシロクラベラ。道具の使用は人間だけの特徴と考えられていたが、今ではチンパンジーやイルカ、カラス、タコなど多数の動物で確認されている。中には複数種の魚も含まれている。 

>ただし、オーストラリア、セントラルクイーンズランド大学のアリソン・ジョーンズ氏によれば、魚の例は大半が実験室での観察だった。海で確認されたのは今回が初めてだという。 

チンプ、イルカ、カラスの例は見聞きしとるんで特に驚きもないが、サカナ野頭の良さって、ひょっとすると相当のもんなんか。
その前に、「頭がいい」の定義をどう取るかにもよるねんけども。


◇ ◇ ◇

ともあれ今日はこの辺で。
それではまた、次回に。

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