『エコ』がお題目の商売はリスキーか?
こちら(↓)のブログで、とても面白い問題提起をしていたので、少し感想(反論ではない)を。
空気を読まない中杜カズサ
『エコ』って、商売のお題目としてはとてつもなくリスキーではないかと思う話
http://d.hatena.ne.jp/nakakzs/20080810/1218373738
大筋は、中杜カズサさんのおっしゃるパターン、つまり、
>究極のエコは「使わないこと」「買わないこと」
に収斂されていくだろうし、そうあったほうがいいよな、と自分も思います。
ところで、自分はテレビを、少なくともテレビという視聴機で見なくなって、だいたい2年以上経つんですが(最後にきちんとリアルタイムで「テレビ」観たってヤツが、『エウレカセブン』だったりする。それ以降のテレビモノは、もっぱらGyaoとか、ネットとか、そっち系。あとはたまに出先で、とか)、今もそんなに、テレビって「エコ」「エコ」言っているんでしょうか? いや、マジで知らないんで、こういう問いかけになっちゃうんですが。
中杜さんが例示しているのがまんがの1コマ、で、その例が
>テレビでエコと叫んでいるのに、それを見ることによって電力を消費するという矛盾が展開されているというブラックネタ
だったりするんで、中杜さんのエントリは「エコ」商売とテレビ放送が両立するか否か、みたいな感じの展開になっています。
しかしまあ、実際の「エコ」商売って、別に「省エネテレビ」を売りまくること、ばかりでもないですし。
テレビの収益という観点からしても、たとえば「テレビCMのおかげ」でエコカーやらエコグッズやらがバンバン売れるようになって、そのCM枠がエコカー会社やらエコグッズ会社あたりにバンバン売れるのであれば、テレビとしては(少なくとも経営上は)「エコ」を言っていく理由があるとは思います。
テレビを見るヒトが減っている、という話があったとしても(そして自分も、中杜さんのその分析には概ね同感なんですが)、さすがに作り手側はそこに危機感はあるでしょうが、経営側は営業的な観点から判断するでしょうから、視聴者が減っても広告収入が維持できるという構造が確実に存在し続けるのであれば、そこはあまりツッコミいれないのかな、と。
もっとも、視聴者の数すなわち広告の値段という面は大きいですから、そういう意味では重要視するでしょう。けれども、それはエコか否かということとはまた違った要素かと思います。
ちなみにエコカーなんか乗るよりも、(都市部だったら)公共交通機関を使う方が、はるかにエコ度が高いんですけれどもね。それはともかく。
そこで「エコ」商売という概念をもう少し見ていくと、たとえば分かりやすい例として「太陽光発電」や「風力発電」なんかの自然エネルギー、それから「コ・ジェネレーション」システムなんかがあります。そして、市場がそいうものにシフトチェンジしていくことで新たなビジネスチャンスを得ているヒトたちは、ぎょうさんおられることと思います。し、それが本当にエコならば、自分はそれはそれでええのんとちゃいますのん? としか思わない。環境も、消費者も、企業も、三方揃ってwin-win-win(←この言い方あるのかどうかしらないので、今作った)が本当に実現しているのであれば。嘘言ってちゃあマズイですけれども。
余談ですが、「風力発電」、これの大型施設の場合、設置場所によっては、渡り鳥のルートを遮ることとなって、希少種なんかも含めて渡り鳥たちがバンバン死んでいたりするんですよね。で、野鳥の会なんかは、そういう場所に立てるのを止めれ! と言うてます。自分も基本、これに賛同する立場です。エネルギー対策はできた、だが種が絶滅した、ではシャレになりませんから。※1
うわ、どんどん脱線。すみません。
つまりはまあ、「エコ」がたとえお題目であろうと(もちろん本当にエコをめざしているものも含めて)、「エコ」を柱にした商売は、現在の社会において確実に存在していますし、それは商業的なパイとしては、とても大きい分野になってきていると思います。どこぞのシンクタンクも、毎年のように環境ビジネス分野でこれこれの成長が、みたいなことを言っているわけですし。
ともあれ、中杜さんのおっしゃられている、
>発信媒体で宣伝すればそれだけエコから遠ざかっていくという、ある意味「エコのパラドックス」と言えるのかも
の部分については、きっと、そういう情報を隠しておけないほど(いわゆる)環境問題がでひどくなっていることに加えて、というか、むしろ「エコ」商売の存在・影響力が以前では考えられないくらいでかくなっている、というのがテレビが「エコ」を叫び続けている理由なのかな? と思うわけです。
面白い問題提起、ありがとうございました。
普段は、サブカルネタあたりを楽しみに読んでいるサイトさんなんですが、こういったネタ振りをしていらっしゃるとは……
※1:類似の例で、こういうエントリを昔 書いた。
→カメから学ぶ オトナのための環境術
オランウータンが絶滅しても、わたしは二酸化炭素の排出量を減らしたいんです
http://www.actiblog.com/yamaneko/29404
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